鮭打ちの往生棒は太刀の反り 若井新一

「鮭打ち」は、晩秋、産卵のために川を溯ってきた鮭を棒や竿で打つなどして獲ること。北海道や東北地方の川で古来行われてきた漁法。網を使ったり、簗場を作って捕まえるところもある。

掲句は、鮭を打つための往生棒が太刀のように反っているという。一般に「鮭打棒」という言い方はあるが、この句では、「往生棒」という土俗的な呼び名が、武骨に反った一本の棒を想像させて味わいがある。他に用例を目にしないところから、作者の出身新潟で用いられている言葉なのかも知れない。鮭打ちを生業にする人々の心情も窺える味わいのある言葉だ。『俳句』2024年11月号。


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