「猪(いのしし)」は偶蹄目イノシシ科の哺乳動物で、豚の原種。褐色の体毛に覆われた体は、丸太 のように太く首が短い。猪の子は瓜のように体毛に白い縦縞模様があることから瓜坊という。田畑の作物を食い荒らす害獣だが、ジビエ料理の食材でもあり、刺身や猪鍋として食される。
猪の鳴き声は豚とよく似ていると言われるが、掲句はその鳴き声を「ぶきゆう」と表現した。猪の眼は確かに体に比べて小さいが、その小さな眼と「ぶきゆう」と鳴く野太い声とのアンバランスがまた猪らしい。『俳句』2024年12月号。
「猪(いのしし)」は偶蹄目イノシシ科の哺乳動物で、豚の原種。褐色の体毛に覆われた体は、丸太 のように太く首が短い。猪の子は瓜のように体毛に白い縦縞模様があることから瓜坊という。田畑の作物を食い荒らす害獣だが、ジビエ料理の食材でもあり、刺身や猪鍋として食される。
猪の鳴き声は豚とよく似ていると言われるが、掲句はその鳴き声を「ぶきゆう」と表現した。猪の眼は確かに体に比べて小さいが、その小さな眼と「ぶきゆう」と鳴く野太い声とのアンバランスがまた猪らしい。『俳句』2024年12月号。
寒さの中で光や色、音などが鮮やかに感じられること。寒さによって透明感・澄明感が醸し出された状態をいう。天上の月、星、空から風、闇、さらには灯火、影、声まで、あらゆるものに透明な、凜とした冷たさを感じる。「冴ゆる夜」、「冴ゆる月」、「冴ゆる星」、「冴ゆる風」、「声冴ゆ」、「影冴ゆ」などともいう。

雁(かり)は晩秋の頃北方から日本に渡ってくるカモ科の大形の冬鳥。その鳴き声は、秋の深まりとともに天地の寂寥を感じさせる。
掲句は雁が渡ってくる頃の天地を「天心の真下は湖心」と大掴みに描き出す。「天心」「湖心」はそれぞれ天、湖の真ん中の意。天と湖は向かい合ったまま息を凝らし、渡ってくる雁を見つめているようだ。雁が渡る頃の天地の静かさが、一読伝わってくる。『俳句』2024年12月号。
「かます(魳)」はスズキ目カマス科の硬骨魚でアカカマス、ヤマトカマスなどがある。産卵前の春も漁期だが、脂がのる初冬の頃獲れたものを特に「霜降かます」という。体長30センチほどで細長く口が尖っている。主として、干したり塩焼きにしたりする。
