東京駅映す打ち水跨ぎ行く 髙久久美子

「打ち水」は夏の暑さや埃をしずめるために、昼や夕べに路地、店先などへバケツやホースなどで水を撒くこと。ひんやりとたちのぼる涼感が快い。

掲句は、暑さを少しでも和らげようと、丸の内界隈の歩道や店舗の前に水を打ったところだろう。その滑らかな水の膜に東京駅が映り込む。そこを、作者を含め会社勤めの人々が、滑らないように大股に通り過ぎてゆく。誰も立ち止まる人はない。スピード感のある現代の都会風景が鮮やかに切り取られている。『俳壇』2024年11月号。


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