生きてゐる限りが戦後生身魂 名村早智子

盂蘭盆会(うらぼんえ)では故人の霊を供養するばかりでなく、長寿の人に対しても祝い物を贈ったり饗応したりする。「生身魂(いきみたま)」は盂蘭盆で敬われる年長者のこと。

掲句は「生身魂」である年長者の内面にある戦争の傷跡を詠んだ作品。戦後80年近く経過した今でも、この度の太平洋戦争の戦禍を経験した人には、依然として「戦後」が続いているとの思いがあるのだ。生きている限り、その思いは変わらないのだろう。『俳壇』2024年11月号。


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