「薄暑」は初夏の頃のやや汗ばむほどの暑さをいう。大正初期に季語として定着した。「軽暖」ともいう。
作者は戦前の生まれだから今おおむね八十代。掲句は自らの来し方を詠んだものだろう。自ら生きてきた80年を「道草」と断じたところには、永年俳句にたずさわってきた作者の心のうちの風狂の思いも感じられる。肩の力を抜いたときにふっと生まれた作者の飾らない自画像であろう。『俳壇』2024年11月号。
kknmsgr
Δ