珈琲熱し野山の錦眼裏に

草木が紅葉・黄葉して野山が彩られる、その色彩の美しさを「野山の色」といい、それをさらに強調して「野山の錦」という。古くから和歌等で用いられてきた言葉だが、言葉の綺羅(きら)が前面に出過ぎているためか、歳時記に例句は少ない。

掲句は週末の一日、秋の山野を歩いた後、喫茶店に立ち寄ってコーヒーカップを手にしたときにできた一句。コーヒーカップの熱さと、たった今目にしてきた「野山の錦」の取り合わせから、好日を独り秋の山野に遊んだ充足感を感じてもらえればいいと思っている。平成26年作。

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