遊船のひとりひとりに風来る 相沢文子

「舟遊」「遊船」は、納涼のため、海・湖・川などに船を出して楽しむこと、及びその船をいう。夏の行楽の一つ。

掲句は遊船に乗り、デッキに立って船からの景色を楽しんでいるところだろう。「ひとりひとり」が同好の仲間か、たまたま乗り合わせた見ず知らずの人かは問わない。作者自身も、他の人たちも、同じ涼風の中に憩っているのだ。海原や湖面を吹きわたる風が心地よい夏のひと時。『俳句四季』2024年10月号。


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