立冬を目前にして冬がすぐそこまで来ていることを、「冬隣」「冬近し」「冬を待つ」などという。寒く厳しい季節に向かって心構える時節である。
掲句を読んで、〈梅漬の種が真赤ぞ甲斐の冬 龍太〉を思い起こした。龍太の「梅漬」はおむすびの具になっている訳ではないので、白いご飯を背景に置く必要はないのだが・・・。掲句の「甘味噌」は、作者がほっとできる味なのだろう。母の思い出と結びついているのかも知れない。冬を迎えようとする中で、おむすびの「甘味噌」にひと時の安らぎを感じているのだ。『俳壇』2024年10月号。