「葛(くず)」は山野に生えるマメ科の蔓性多年草。晩夏から初秋にかけて、蔓状の茎を八方に伸ばして旺盛に繁茂する。
掲句は、葛の繁茂する農村生活の一コマを詠んだ作品。葛は木や柵など絡むものがあれば絡みつき、何もなければ地べたを覆う。放置していれば道にまで侵入して歩く人の足を捉える葛の生命力と、草が蔓延るまま人手の行き渡らなくなった農村一帯の光景が目に浮かんでくる。さり気ない表現の中に、農の衰退と言ったことも感じさせる一句。『文藝春秋』2024年10月号。
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