「銀漢」は天の川のこと。天の川銀河の星の集合が肉眼では白く濁って見えることから、それを川に見立てた。晩夏から秋にかけてが最も明るく美しいことから、秋の季語。
掲句は、「銀漢」を仰ぎながら、死後のわが身が素粒子となって宇宙空間を漂うさまを想像した作品。素粒子は物質を構成する最小の単位のことで、文学的に表現すれば「微塵(みじん)」とでも表現するところだが、敢えて学術用語を用いたところに、この句の新鮮な味わいがある。『俳句』2024年9月号。
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