葉擦れして父母の来る涼しさよ 角谷昌子

「涼し」は夏の季語。暑い夏だからこそ人々は涼を求め、涼に敏感になり、涼しさを愉しむ。

掲句は、「迎え盆」とも「盂蘭盆(うらぼん)」とも言っていないが、盂蘭盆に際して、仏の父母を家に迎えるところを詠んだものだろう。亡き父母が来る気配を草木の葉擦れに感じ取っているのだ。このとき、作者の脳裏には、〈風が吹く仏来給ふけはひあり 虚子〉があったのかも知れない。いずれにしても、季語の使い方が自在で的確だ。父母への追慕の思いが、ひとすじの涼気となって読者に届く。『俳句』2024年8月号。


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