あすひらく香のたちのぼる蓮つぼみ 松尾隆信

蓮はインド原産の多年生水草。夏には長い花柄を直立に伸ばして宝珠の形をした蕾をつけ、夜明けに芳香のある大形の花を開く。

掲句は「蓮つぼみ」に焦点を絞った「一物仕立て」の作品。朝、咲いたばかりの蓮の花の香りの中に佇みながら、花の傍らの、明日咲きそうな蕾に目を留めたのだろう。蕾のうちから芳香を放っているというのは、作者がその場に身を置いて得た一つの発見だ。仮名を多用したすっきりした表現が、蓮の花の香りにまことに相応しい。『俳句四季』2024年7月号。


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