「若夏(わかなつ)」は、沖縄で、旧暦4、5月の稲の穂が出る頃の初夏の時候をいう。若々しい青々とした季節をイメージさせる季語。沖縄で古来より使われてきた言葉である。
掲句は初夏の頃の南の島々を詠んだ作品。日本近海には「男島(おじま)」「女島(めじま)」と称される島が、五島列島付近や下関付近などに複数あるが、掲句の島をそのうちのどこと特定する必要はないだろう。「男島翳れば女島照り」との大らかな詠みぶりが、島々の点在する海原の大景を描き出す。『俳句四季』2024年7月号。
kknmsgr
Δ