夏季の、熟する前の青々とした葡萄の実のこと。粒と粒の間にまだ隙間が見えるような小さな房で、青みがかった緑色が美しい。棚を這う葉陰の間に青く小さい房が下がっている様は清涼感を誘う眺めだ。マスカットなどの熟して青い葡萄のことではない。

夏季の、熟する前の青々とした葡萄の実のこと。粒と粒の間にまだ隙間が見えるような小さな房で、青みがかった緑色が美しい。棚を這う葉陰の間に青く小さい房が下がっている様は清涼感を誘う眺めだ。マスカットなどの熟して青い葡萄のことではない。

「松の芯」は松の新芽のこと。松は晩春の頃、枝先に蝋燭のような新芽を直立させる。「若緑」「緑立つ」ともいう。
掲句の「大空の一志」は「松の芯」の形容だが、それは晩春の陽光の中晴々とこぞり立つ「松の芯」の風姿をありありと目に浮かべさせる措辞。「一志」には、作者の俳句に寄せる思いも映し出されているようだ。『俳句』2024年7月号。
「苺」は、幕末に日本に移入されたオランダイチゴ(西洋イチゴ)のことで、年間を通して食べられるが、露地ものが店頭に並ぶのは初夏。そのつぶつぶした食感や味、匂いは、太陽の恵みを感じさせる。
掲句は指についた「苺」の匂いのもたらす幸福感が、夏到来の喜びとともに感じられる作品。「封緘(ふうかん)」した手紙がどのようなものか、作中には説明がないが、俳句はそれでいい。夏という活動的な季節を迎えた作者の日常が匂い立ってくる。『俳壇』2024年7月号。
蛾や蝶の幼虫で体に毛のいっぱい生えているものの総称。ドクガ科、カレハガ科の幼虫など毒のあるものが多く、また、毒はなくても葉を食い荒らして樹木に害を与えることが多い。バーナーなどで焼いたり薬物で駆除する。毛のないものは「芋虫」と称し、秋の季語。


楮(こうぞ)はクワ科の落葉低木で山地に自生する。晩春の頃葉とともに花が咲き、6月頃実が赤く熟す。果実は、生食のほかジャムや果実酒などに用いられる。樹皮の繊維は和紙の原料になる。
