夏至の夜の舌にとろりと食前酒 黒澤麻生子

夏至(げし)は二十四節気の一つで陽暦6月21日頃。一年の中で、最も昼が長く夜が短い。実際には梅雨の最中であることが多く、からりとした晴天に恵まれることはあまりない。

掲句は夏至の夜、食前酒を口に含む至福の一瞬を詠んだ作品。中々沈まなかった太陽も漸く沈み、「短夜」と言いながらもほっとできる夜のひと時。食前酒はヤマモモ酒だろうか、それとも梅酒だろうか。そのとろりと熟成した濃厚な舌触りに、生きている喜びが凝縮されている。『俳句』2024年7月号。


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