大空の一志となりし松の芯 宇多喜代子

「松の芯」は松の新芽のこと。松は晩春の頃、枝先に蝋燭のような新芽を直立させる。「若緑」「緑立つ」ともいう。

掲句の「大空の一志」は「松の芯」の形容だが、それは晩春の陽光の中晴々とこぞり立つ「松の芯」の風姿をありありと目に浮かべさせる措辞。「一志」には、作者の俳句に寄せる思いも映し出されているようだ。『俳句』2024年7月号。


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