「啄木忌」は歌人石川啄木の忌日で、四月十三日。啄木は、啄木調といわれる生活感あふれる愛唱性のある短歌を遺して、明治四十五年のこの日、二十六歳で死去した。
掲句は、残業の多い作者の日常に加えて、代用教員や新聞記者をしていた啄木の面影が彷彿する作品。「塩むすび」という質素でありながら人の温もりを感じさせる食べ物が、作者の啄木に対する敬慕の思いを浮かび上がらせる。『俳句四季』2024年7月号。
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