洗ひたての山のあをさよ夏燕 花野くゆ

夏燕は夏に見かける燕のこと。軒下の巣に餌を運ぶ親鳥の忙しない飛翔や巣立ったばかりの幼鳥が親鳥から空中で餌を受けるさまなどは、夏の間身近に見られる光景だ。

掲句は、初夏の頃の瑞々しい新緑で覆われた山と、山間を飛ぶ生気あふれる燕の姿を取り合わせた作品。「夏燕」は点景で、句のモチーフは、夏を迎えた山の滴らんばかりの緑にある。「あをさよ」との詠嘆が、作者の感動の焦点をよく表している。『俳句四季』2024年6月号。


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