濡れてゐる空に加はる初燕 和田順子

燕はほとんどが夏鳥として、春に南方から日本各地に飛来し、秋には帰って行く。その年の春初めて見かけるのが「初燕」で、関東近辺では3月下旬から4月頃に見かけることが多い。素早く滑らかな飛翔が印象的だ。

掲句は空高く飛翔する「初燕」を描き出した作品だ。「濡れてゐる空」は春先の明るい雨空を思わせる。既に雨は降り止んで、雲間から太陽の日差しが差し込んでいるかも知れない。雨が降るなどして潤っている空と「初燕」の取り合わせには、作者の春を迎えた喜びが表れている。『俳壇』2024年6月号。


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