修二会(しゅにえ)は三月一日から十四日間、練行衆が奈良・東大寺の二月堂に籠って行われる法要。本格的な春の到来を前に行われる厳しい修行だ。
掲句は松明を振って群集に火の粉を浴びせるなどの一連の行が終わり、元の闇に戻った二月堂を描く。練行衆も群衆も去り、闇に包まれた二月堂の辺りは、激しい修行の後の静寂が支配しているだろう。松明の明るさと闇の対比、動と静の対比が鮮やかだ。『俳句』2024年5月号。
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