誰もみな誰かのこども子供の日 山本一歩

「子供の日」は戦後新しく制定された国民の祝日の一つで、5月5日。端午の節句でもあり、子供の健やかな成長を感謝する日。

掲句は、誰もが当然のこととして余り詠まれなかった内容を、平明に表現して味わいのある作品。上五中七の「誰もみな誰かのこども」は、老若男女を問わず、この世に生を受けた人全てに当てはまる真実だ。その厳粛な真実を「子供の日」に改めて思ってみる。人は誰かの子供であり、その誰かも別の誰かの子供である。「子供の日」は、すべての人々が、生きていることに感謝する日だと思えてくる。『俳壇』2024年5月号。


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