座禅道場常磐木の太芽立つ

「木の芽(このめ)」は春になって様々な木の芽が吹くこと。落葉樹に比べると、常磐木(ときわぎ)の芽吹きは目立たないが、落葉樹の芽吹きより少し遅れて、椎、樫、樟などの常磐木も、古い葉を落としながら芽吹きの季節を迎える。

掲句は平林寺での作品。平林寺は埼玉県南部にある臨済宗妙心寺派の寺院で、野火止台地に広大な境内地を有する。大方は武蔵野の面影を残す雑木林だ。専門道場である平林僧堂は明治時代末期に開かれたといい、関東では有数の座禅道場。境内を散策していると、作務の箒を手にした若い僧に会うことがあった。降り注ぐ陽光の中、雑木林の木々は芽吹きの時季を迎えていた。平成25年作。

,

コメントを残す