「裸木」は「枯木」の傍題。冬に一葉残らず落葉してまるで枯れたように見える木のこと。
掲句は、冬という季節の情感を単純な線で描き出した。全く葉を落としたプラタナスのような裸木に、隣の木の影が、そしてそこに佇む作者の影がさしている。「裸木の影」に「己が影」と畳み掛けたところがいい。そこに、冬特有の求心的な心の在りようが表れている。『俳句』2024年4月号。
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