「初蝶」は春になって、その年初めて見かける蝶のこと。目の前に不意に現れるので、幻を見たように感じる。春の訪れを実感する一瞬だ。
掲句は、「天地(あめつち)」の中に「初蝶」を点じて、春になって初めて蝶に出会った驚きを表現しようとした作品。3月頃「初蝶」を見かけたとき、野や林の中にはたっぷりとした日差しがあったが、季節の動きはまだまだ遅々としたものだった。「初蝶」とそれを取り巻く「天地」だけで、この世が成り立っているように思えた。令和3年作。
kknmsgr
Δ