「草青む」は、春になって草が青々と地上に萌え出てくること。夜が明けたばかりの野に出ると、露をふくんだカラスノエンドウやハコベなどの草々の緑が目に沁みるようだ。
掲句は長野のとある牧場で、ケージに入っている生後間もない仔牛を見たときの作品。飼葉桶には干草が入っていたが、仔牛に近づくと乳(ち)の匂いが鼻を突いた。母牛の母乳か人工乳の匂いだったのだろう。周りには、折から萌え出た草の緑が目に鮮やかだった。平成28年作。
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