蛙合戦やはらかに蹴り合へる

蛙は冬の間、土の中や水の底に潜って冬眠しているが、春になると目を覚まして活動を始める。水辺には、蛙の雌雄が群れて、雄が雌を奪い合う光景が見られる(蛙合戦)。

掲句はたまたま水辺で目撃したヒキガエルの蛙合戦を詠んだもの。雌の上に乗っている雄が、さらに乗ってこようとする雄を力強い後ろ足で押しやり、ひっくり返す様子が見られた。合戦とはいえ、生まれたままの姿で武器を持たない蛙のことだから、柔らかに蹴り合うよりほかに仕様がないのだった。平成25年作。

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