列島の深傷はいくつ流し雛 河原地英武

「雛流し」は、雛を海や川に流すことによって、災厄を払うこと。古雛や紙製の雛などに穢れを移す祓いの行事。

掲句は、新年早々に生起した能登半島大地震や去年の各地の水害などを念頭に読みたい作品。これらの災禍の数々は、日本列島が受けた「深傷(ふかで)」といえるだろう。雛流しには、そうした災厄を払う意味合いがある。災禍の途切れることのないこの世の在りようを、大きく捉えた一句。『俳句界』2024年3月号。


コメントを残す