「春待つ」は、長く厳しい冬が一段落して、寒い中にも時折春の訪れを感じる頃、新しい季節を待つ気持ちを表す冬の季語。早く春が来て欲しいと願う気持ちである。
掲句は、春の到来が近いことを鳥たちの声に感じ取っての作品。日向で鳴き交わす鳥たちの声が心なしか作者の耳に優しく艶やかに聞こえてきたのだ。「ふたいろみいろ」は、雀、目白、鵯など庭先で鳴く鳥の声を作者が聞き分けていることを示す措辞。仮名書きも、春を迎える鳥たちの優しい声音を想像させて効果的だ。『俳壇』2024年3月。
kknmsgr
Δ