白詰草あの日あの時そして今 池田澄子

白詰草は苜蓿(うまごやし)の花の別名。牧草として栽培されたものが、広く世界中で野生化している。ヨーロッパ原産で、日本には江戸時代に渡来。

掲句は、白詰草を眺めながら来し方を追想しての作品。かつて少女時代には、野で白詰草の花輪を作って遊んだこともあっただろう。白詰草を眼前にして、昔のそうした記憶がよみがえったのだ。しかし追想もいつか「今」に戻って来る。下五の「そして今」は、追想は追想として「今」を大切に生きなければとの思いの表現。『俳壇』2024年3月号。


コメントを残す