「春隣(はるとなり)」は春がもうすぐそこまで来ていること。晩冬には寒さが緩む日が多く、春の訪れを感じることが多くなる。
掲句は、抽斗(ひきだし)の中の小さな抽斗を目にしたとき、春の気配を感じたとの句意。抽斗は家具などにとりつけられている、抜き差しできる箱のこと。抽斗の中の抽斗というのだから、日頃出し入れすることもない大事なものが入っているのだろう。抽斗の中のものも、着実に近づいてくる春を待っているのだ。『俳句界』2024年2月号。
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