百閒忌は小説家・随筆家・俳人であった内田百閒の忌日で4月20日。幻想的な感覚を湛えた作風で知られた。昭和46年のこの日死去。
掲句は「前脚をきれいにたたむ」との措辞がさまざまな想像を呼び起こす作品。カマキリなどの眼前の小動物を写生したとも、小動物に生まれ変わった自らの動作を詠んだとも取れ、そのいずれにも取れるところにこの句の妙味がある。ある朝目覚めると巨大な虫になっていたというカフカの『変身』の主人公になった気分もあろうか。『俳壇』2024年2月号。
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