純白の常念をこそ初景色 小澤實

「初景色」は元日に眺める景色のことで新年の季語。日ごろ見慣れた景色も、新たな年を迎えた改まった心で眺めれば、格別瑞祥に満ちて目に映る。

掲句は荒彫りの彫刻を思わせる朴直な味わいの作品。「常念(じょうねん)」は常念岳のことで、北アルプス南部の常念山脈の主峰。安曇野からは全容が望め、ピラミッド型のその端正な山容は印象的だ。雪を被った常念岳を眼前にしながら佇む作者の密かな決意も感じられる清々しい一句。『俳壇』2024年1月号。


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