蟻は蜂と同様、集団で高度な社会生活を営んでいる。地べたや幹に蟻の行列を見かけるのは盛夏の頃。「蟻の道」「蟻の列」などという。
掲句は、まず一匹の蟻が目に入り、その後地べたなどを行き交いする蟻の列が見えてきたという、人がものを見るときの視線の動きを精妙に表現した作品。句のモチーフは人がものを認識するときの視線の動きであって、蟻は素材に過ぎない。そこにこの句の新鮮さがある。『俳句』2023年11月号。
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