瀬音あり夜店尽きたるくらがりに 野崎海芋

夜店は縁日の夜、神社の参道などに並ぶ露店のこと。食べ物、玩具、金魚など様々なものが売られる。涼みがてらにゆっくりと見て歩くのは、夏の夜の楽しみの一つだ。

掲句は、夜店そのものではなく、夜店が尽きた暗がりの瀬音に焦点を当てた一句。自ずから川沿いの参道にこじんまりと4、5軒の夜店が並ぶ様が想像される。夜店の明かりが途切れると、既に暮れ切った夜闇に瀬音がするばかりだというのだ。楽しみの中に一抹の寂しさが混じる。『俳句』2023年11月号。


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