秋暑は残暑ともいい、立秋を過ぎてもなお残る暑さのこと。暑さのピークは過ぎたとはいえ、いつまでも続く暑さにはうんざりさせられる。
掲句は、ハンガー(洋服掛け)にハンガーが掛けてあるという室内の情景を句にした。掛けるところのないハンガーをハンガーに掛けるというのは、よくあることだ。そこに人の気配はなく、ただ秋の暑さが辺りを支配している。描写にことさら意味を求めないことが、この句に無機的な新鮮さをもたらしている。『文藝春秋』2023年11月号。
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