盆の夜の振つて浮かせる古酒の澱(おり)

盆は7月13日から16日まで行われる先祖の魂まつり。陰暦で月遅れの盆を行っているところもある。正式には盂蘭盆会といい、俳句では秋の季語。休暇を取って展墓の帰省をする人も多い。盆の期間中は、日々の仕事から離れて、今は亡き肉親のことを思い起こしたり、故郷に帰って旧交を温めたりする。

掲句は、父が遺した梅酒の瓶を手にしていてできた作品。父は前年の9月に急性心不全で亡くなり、生前作っていたかなりの量の梅酒や梅干しが遺された。その中には、新しいものも年数を経たものもあった。新盆の夜、その梅酒を飲みながら父を懐かしんだ。生前、人生万般について十分に語り合う機会がなかったことを、今でも残念に思っている。平成12年作。『河岸段丘』所収。

,

コメントを残す