つなぐ手のちひさな温み秋の暮 西宮舞

「秋の暮」には、秋の夕暮という意味と秋の末という意味があり、この二つの意味が混然一体になっている。

掲句は、つないだ子の手の温かさを「ちひさな温み」と感受したところがポイント。手をつなぐことで、母は幼子の手の温もりを自らの手に感じ、幼子は、自らの手に母の手の温もりを感じる。触れ合う手の温もりを通して、母子はお互いを結びつける深い絆を感じ取る。寂しい「秋の暮」に灯を点したような懐かしさと温かみが感じられる作品だ。『俳壇』2023年10月号。


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