初浴衣これが日本の青と指し 大高翔

浴衣は通常寛いで着る夏の家庭着だが、浴衣掛けで盆踊りなどに出かける人も多い。旅先でも寛ぐときも大抵浴衣着だ。

掲句は「日本語教室ボランティア 四句」との前書きがあるアメリカ滞在中の作品。この夏初めて自ら身にまとった藍浴衣を指さして、日本語教室の生徒たちに「これが日本の青」と説明したという。確かに浴衣の藍色は、日本人の我々にとって、郷愁を誘われるような古来からの色合いであり、「日本の青」と言っていい。さり気ない場面の中に、外国人との交流の機微が捉えられている。『俳句』2023年9月号。


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