あかり消すことがもてなし月見酒 柴田多鶴子

月見は、陰暦8月15日の中秋の名月を賞すること。月見酒は、月見に人を招いてともに酒を飲むこと。気の置けない親しい人を招く場合も、より改まった宴席の場合もあるだろう。

掲句は、軽い風狂の気分が出ている作品。酒や料理を前に、明かりを消してともに月を愛でようというのだ。宴席の趣向の一つとして明かりを消したのかも知れないが、よりざっくばらんで親し気な雰囲気が表れているようにも思う。『俳句界』2023年9月号。


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