近江まで吹かれに来たる青田風 名村早智子

植えた早苗が伸びて田圃は日に日に青々としてくる。稲が生長した田の面を爽やかな風が吹きわたる。

近江という旧国名は琵琶湖をかかえる今の滋賀県のこと。古くは松尾芭蕉から森澄雄まで、多くの俳人を惹きつけてきた地。作者も、その近江を訪れて青田風に吹かれているのだ。「吹かれに来たる」との措辞に風狂の味わいがあろう。『俳壇』2023年9月号。


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