「夏満月」は昼の暑さから解放されて、屋外や窓辺から見上げる満月。涼しさが降ってくるような夜空に光を放つ。
掲句は、夏の満月を「枳殻のいろ」と形容したところがポイント。枳殻(きこく)はカラタチの別名で、秋に黄色く熟すが酸味が強く、漢方の材料になるものの食用には適さない「枳殻」という果実のもつ風趣が活かされている作品だ。『俳句四季』2023年8月号。
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