カトリックでは五月をマリアの月(聖母月)と定めている。そして、マリアを崇敬賛美し、聖歌を歌い、祈祷をささげるこの月を、俳句では「聖五月」と称する。風薫る麗しい季節である。
掲句は、ミサをあげたり、洗礼、聖体などの儀式を行う神父の姿を間近に見て、その腕の毛深さに改めて気づいたという情景。西洋人の成人男性の腕の毛深さが、初夏の明るい光の中で、クローズアップされて見えてくる。聖職者である神父も、ひとりの生身の男性であることを発見した作者の驚きが伝わってくる作品。『俳句』2023年8月号。
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