空壜にとんぼうの空ゆがみをり 石田郷子

「とんぼうの空」は沢山の蜻蛉が群がり飛ぶ空のこと。秋になると、郊外では、「とんぼうの空」といえるような空に幾度か会う。群れの中には、ヘリコプターのように空中に止まるものもいるし、ずんずんと高度を上げて青空に紛れてしまうのもいる。

掲句は、空壜を通して「とんぼうの空」を見ているという。ただ事といえばただ事だが、その無心な動作が、蜻蛉という昆虫のもつ親しさ、懐かしさを浮かび上がらせる。『俳句』令和5年8月号。


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