斑猫(はんみょう)は平地から山地にかけてよく見かける2センチほどの甲虫。人が近づくと飛び上がり、先へ下り立って、振り返るような仕草をする。その動作が人に道案内するように見えるので、「道おしえ」の名で親しまれてきた。
掲句は、視覚に障害のある人の白杖(はくじょう)がそこに着くのを待って斑猫が飛び立ったという。白杖の人を気遣っているようにも見える斑猫の飛び方を、作者の詩心は見逃さなかった。無心に飛ぶ斑猫と白杖の人とが、この一瞬、心を通じ合わせているかのような印象がある。『俳句』2023年8月号。
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