青葉は、初夏の若葉が青々とした生気を漲らせて生い茂っているさま。夜、青葉若葉は闇に包まれるが、その闇にも、初夏の溌溂たる生気が漲っているような気がする。
掲句はそうした青葉の夜、パソコンに向かっている情景。フォルダーは、ファイルをパソコンの記憶媒体に収容する場所のことで、近年すっかり定着した用語だ。この句で作者が扱っているファイルは、仕事関係のものかも知れないし、思い出の写真を集めたような私的なものかも知れない。その中身は兎も角、パソコンに向かって夜作業をしている作者の心の充実感が感じ取れるのは、青葉の季節故であろう。『俳句』2023年7月号。