潮騒が変へ紫陽花の今日の色 山田讓太郎

紫陽花(あじさい)は七変化ともいわれる。咲き始めの白又は淡い黄緑色が徐々に青くなり、やがて赤くなり、最後は緑で咲き終わるというのが、よく見られる紫陽花の色の変化だ。また、土壌の性質により、酸性土壌であれば青紫色に、アルカリ性土壌であれば赤色になる傾向があるという。

掲句は、七変化といわれる紫陽花の色の変化を潮騒に結び付けた一句。この二物を結びつけたのは、日々潮騒を聞いて過ごす海辺近くに住む人の感性だろう。紫陽花の色は、実際にはある日突然変わる訳ではないが、朝起き出した作者の目に、紫陽花の色の変化が鮮やかに映じたのだ。一見平凡にみえる「今日の」の措辞が、朝の紫陽花の瑞々しさを引き出している。『俳壇』2023年7月号。


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