ぬらぬらと蜜移し合ふ蜂の舌 芳山遊

「蜂」の多くは集団で生活し、女王蜂、働き蜂など、集団の中での役割が決まっている。また、その生態は、蜜や花粉を目当てに花にくるもの、他の虫を捕食するものなど様々だ。

掲句は、花々を巡って集めてきた蜜を移し合う蜜蜂の口吻の辺りを、クローズアップしたような作品だ。通常は、野外を歩いていても、そのような微細な部分に目を止めることは少ないが、この句では、拡大鏡を覗いたときのように、蜂の舌が「ぬらぬら」と動いて蜜を移し合う様が、読者の目に見えてくる。「ぬらぬら」との擬態語が臨場感をもたらしている。『俳壇』2023年5月号より。


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