蒲公英(たんぽぽ)は、キク科タンポポ属の多年草の総称。さまざまな種が全国各地の道端や野原に自生する。在来種にはカントウタンポポ、カンサイタンポポなどがあり、外来種としては、セイヨウタンポポやアカミタンポポなどがある。三月から五月にかけてぎざぎざの葉の間から茎が伸び、その先端に黄色い花を咲かせる。最もポピュラーな野の花の一つ。
掲句は、たんぽぽに跼(かが)んだとき、過ぎ去った遠い日々のことが、鮮やかによみがえったとの句意。身近に感じられたのは、たんぽぽ摘みに熱中した少女時代かも知れないし、父母とともに過ごした幸福な日々だったのかも知れない。いずれにしても、人の記憶に刻み込まれた思い出は、隔てている年月の長短とは関わりなく、何かに触発されて鮮やかによみがえるものなのだ。『俳壇』2023年4月号。