大悪人虚子忌の椿真くれなゐ 角谷昌子

「虚子忌」は、俳人高浜虚子の忌日で、4月8日。虚子といえば、近現代の俳句の源流をなす人であり、歳時記には多くの「虚子忌」の句が掲載されている。

掲句は、一読、〈初空や大悪人虚子の頭上に 虚子〉が思い浮かぶ作品であり、本歌取り的な手法がとられているといっていいだろう。自らを「大悪人」と称して憚らなかった虚子という人の生涯や作品のもつ図太さを、この虚子の句はよく表しているが、その「大悪人虚子」を偲ぶかのように、椿が真っ赤な花を咲かせているのだ。俳句のような短詩型の世界でも、今、虚子の図太さを必要としているのかも知れない。『俳句』2023年4月号より。


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