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俳句の庭

  • 園児らの百のナプキン東風に干す

    11月 23rd, 2025

    「東風(こち)」は春に吹く東風のこと。冬型の気圧配置が崩れたときに吹く、寒さを和らげ、時には雨を伴う柔らかな風である。春の訪れを告げる風として、古くから親しまれてきた。

    掲句は、通りすがりの保育園での光景が契機になってできた作品。早朝の園舎の軒下に沢山のナプキンが干してあった。真っ白なナプキンはひらひらと風に靡き、園児たちの通園を待っているように見えた。まだ人影はなかったが、春の到来を感じさせる光景だった。令和6年作。

  • 櫟に絡む蔦紅葉

    11月 23rd, 2025

    雑木林の櫟(くにぎ)に蔦(つた)が絡まっていた。鮮やかに紅葉しているのが蔦で、櫟の紅葉はくすんだ茶色をしている。蔦はブドウ科ツタ属の蔓性木本植物で、晩秋には鮮やかに紅葉する。俳句では、単に蔦と言うだけで、紅葉した蔦を指す。

  • 寒菊

    11月 23rd, 2025

    キク科キク属の多年草。「冬菊」ともいう。在来種の島寒菊(しまかんぎく)は近畿以西から九州の暖地に自生する。変種・園芸品種も多く、園芸用に庭に植えられる。晩秋初冬に、黄色ときに白色の花を咲かせる。なお、実際には品種に関わらず、秋から遅れて咲き残る菊を「寒菊」「冬菊」として詠むことが多い。

  • 奈落から舞台袖へと隙間風 織田亮太朗

    11月 22nd, 2025

    「隙間風」は冬の寒い日に、家屋の障子や戸の隙間から吹き込んでくる冷たい風のこと。古い家屋や、冬支度が十分でない建物で感じることが多い。隙間に目張りをしてこれを防ぐ。

    掲句は、劇場での作品。奈落は、劇場の舞台の下にある地下空間のことであり、舞台袖は、観客席からは見えない舞台の両脇にある奥まった空間のこと。どちらも観客は通常意識しないが、舞台の運営スタッフにとっては馴染み深い空間だ。劇が演じられている最中、運営スタッフ、或いは観客の一人としてそこに踏み込んだ作者は、吹き抜けてゆく冷たい隙間風を感じたのだ。恐らく観客席は暖房完備で、隙間風とは無縁のぬくぬくした空間だったのだろう。『俳句四季』2025年12月号。

  • 疎水の散紅葉

    11月 22nd, 2025

    疎水や岸辺に散り溜まっている桜紅葉。桜が咲く頃には及ばないが、紅葉が散る頃の疎水べりには静かな華やぎがある。流れているとも見えない水面に、散った紅葉がいつまでも浮いている。様々な樹木の中で、桜が紅葉して散るのは比較的早い方だ。

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